自分を大切にしているとは、いつも自分があるということ☆神田橋條治先生のご著書から
みきです♪
自然に沿った健康管理を模索しているとよく聞く「自分を大切にする」という言葉。自己治癒のポイントとされ、やさしい日本語でもありますが、この意味を理解、実践、説明するとなると、途端に難しく感じられる言葉でもありますね。
精神科医の神田橋條治先生は、これを簡潔に、「自分を大切にしているとはいつも自分があるということ」とご説明なさっています。
「改訂 精神科養生のコツ」よりご紹介いたします。
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・「気持ちがいい」をつかむ練習方法の紹介。
・この練習の目的の一つは、自分を大切にして生きる練習をすること。
・自分の好きな、自分に合ったことだけを選んで生きることが
「自分を大切にしている」ことではない。
・人生では気持ちが悪いことや自分に合わないことでもしなくてはならない、
という場合がある。
・そんなときでも、いつでも、
今のこの状況はどのくらい自分に合わないのか、
どのくらい心身に無理をさせながらこの仕事をしているのか
が分かっていると、
分かっている自分は確かなのだから、
「いつも自分がある」
「いつも自分を見失わない」
という状態が得られていることになる。
この「いつも自分がある」ということが「自分を大切にしている」こと。
・「気持ちがいい」こと、楽なことだけをするのは、「自分を大切にしている」
ことではない。
これは、いつまでも歯ごたえのない、柔らかなお粥だけを食べて、顎や胃を
虚弱にしてしまうのに似ている。
・「自分には合わない」とはっきり分かっていて、自分の心身が耐えられる範囲で
何かをやるのは、自分を鍛錬していること。
・状況と自分との相性が分かっていると、細かい部分を変えることで、わずかでも
自分に合うように状況を変えることができる。
・この練習は、日々工夫しながら生きてゆく生き方、の基盤。
・人は楽なことばかりしているのが「気持ちがいい」わけではない。
・病気の状態では、楽なことをしているのが「気持ちがいい」場合が多いが、
体力や気力がついてくると、
いろいろな困難にチャレンジするのが「気持ちがいい」もの。
例えば、危険を覚悟でヒマラヤ登山などする人たちは「気持ちがいい」の極地を
やっているのである。
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スピリチュアル系の本と基盤が似ているようですが、著者が精神科医だからか?、地に足が着いていて、大変実践的な本です。課題への具体的な対処法が、平易な言葉で紹介されています。無駄な言葉がないので、要約したくても、省くところがほとんどないほど、完成された本です。ご紹介したのは第一章。以降、自分に合うかどうかを判定するためのテスト法、養生法、症状への対処法などが紹介されてます。
物事への態度や反応は、根本体質や遺伝傾向が決めていると考えるホメオパスもいて、根本体質や遺伝傾向ケアでもつかめることの多い「自分を大切にする」感ですが、この本に紹介されている練習方法も併用してみるとよりスムーズにつかめるかも知れません。
ご参考まで。
[参考文献]
神田橋條治 (2009) 「改訂 精神科養生のコツ」 岩崎学術出版社