「~するべき」の分類は? / 空想と妄想の違い / 願望の取り扱い ☆事実と空想へのご質問から

想定した以上に、たくさんの方に取り組んでいただいている「心の整理☆事実と空想」。
メールやメッセージでご感想をお寄せいただきありがとうございます。

手順を説明した記事を印刷したり、専用のノートを用意して取り組んでくださっているというお話も伺いました。重ねて御礼申し上げます。

個別にご相談をお受けするサービス「心の整理『事実と空想』~心理カウンセリング」もスタートして2週間、早速ご利用いただいておりますが、まずは自分で練習したい方の応援も、引き続きブログで行っていきたいと思っています。

取り組み当初は???となられるかもしれませんが、いずれ慣れたころには、すいすい~♪とできるようになります。そのころには、心に浮かぶものが変わり、置かれた環境が違ったものに見え、気持ちの軽さを手にしていただいているはずです☆ ゆっくりでいいので、引き続き練習されてみてくださいね。

さて、「事実と空想」に取り組んでくださっているお客様から、みなさんが混乱されやすいポイントに関するご質問をいただきました。ご承諾を得て、紹介させていただきます。
Tさん、ありがとうございます。

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みきさん

ありがとうございます。
レメディーの件、承知しました。
早速、切り替えてやって行きます。



あと、前回の相談会のメモを見返して、清書してたのですが、
その時はめっちゃ納得して話してたはずなんですが、
見返してみて??となるところがあったので、
質問させてください。

全く急ぎません、お時間ある時で大丈夫ですので、
教えていただける一般的な範囲でお願いできますでしょうか?

事実と願望、妄想の話をしていて、
私のメモは、
~するべき=空想 ってなってるんですけど、
合ってますか?
私は、
べき=妄想と思って話をしていたつもりでいたんですけど、メモ見ると、「あれ、ちがうー」と思って
ちょっと混乱してきてしまいまして。

・第三者や事柄に対して
あの人こうするべきだよねー、こうするべきではないよねーとか
これはこうあるべきだよねー、とかってのは妄想かと思ったのですが、
掘り下げると、
あの人にこうあってほしい、とかあの人にこうして欲しくない、とか
これはこうであってほしい、とかいうことになる気がするので、願望(自分には裁量がない、変えられないこと)になるのでしょうか?

・自分に対して
私、あの時こうするべきだった、とか
こうすべきではなかった、とか
これからこうするべき、とか

掘り下げると、
自分はこうありたい、とかこうありたかった、とか
の願望になるのでしょうか?
んー。
未来に向けてこうありたいは、自分に裁量がある願望で、
こうありたかったという過去形の場合は、
事実はそうではなかったわけだから、
でも終わったことで変えられないから妄想ですかね。

すみません、看病で時間がありまして、いろいろ考える時間があって思考回路が複雑になってきて。

お時間ありますとき、よろしくお願いします。

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Tさま

Eちゃん、毎日幼稚園が楽しいんですね。
出来るだけ続けて登園可能となられるよう、
合うレメディーをお探ししていきますね。

また、事実と空想の分類を試してくださり、
ありがとうございます。

ご質問につき、他の方も混乱されやすい
ポイントのようなので、ブログに転載、
解説させていただいてもよろしいでしょうか。

ご検討いただけましたら幸いです。
よろしくお願いいたします。

●「~するべき」を分類するには?

>~するべき=空想 ってなってるんですけど、
>合ってますか?

はい、大丈夫です。

「心の整理」では、まず、「事実=実際にあったもの」を取り出しますよね。
「事実を取り出した残り全部が(自動的に)空想」になります。

そう手順を進めるなら、

>~するべき

は、実際にあったこと?



ではないため、事実ではないもの⇒空想に分類されます。

●空想と妄想の違い

>「あれ、ちがうー」と思ってちょっと混乱してきてしまいまして。

はい、そうですよね。
その混乱は、「空想」と「妄想」の混同から生じているのかなと思います。

日常、「妄想」と「空想」は類語(意味の似ている言葉)として、区別せず使う方も少なくないと思われますが、事実と空想のメソッドでは、この二つを区別しています。

手順を確認してみましょう。

1.心の中に浮かぶあれこれから、「実際にあったこと=事実」を除くと。
2.残ったものは「空想=想像の一種で、観念または心像として現れる精神活動、その所産」。
3.「空想」という精神活動で生じたものをさらによく見ると、「願望」「妄想」「洞察」に分類可能。

まず、大分類として「事実」と「空想」。
そして「空想」の中分類として「願望」「妄想」と「洞察」。
つまり、妄想は空想(の一つ)ですが、(全ての)空想は妄想ではありません。
このメソッドでは、妄想=空想ではなく、妄想は、空想に含まれてる要素の一つとして扱っているということです。

辞書的な意味を並べると、わかりやすい方もいるかな?

空想:現実にはあり得るはずのないことを色々と思いめぐらすこと
想像の一種で、観念または心像として現れる精神活動、その所産

妄想:正しくない想念。根拠のない主観的な想像。

●空想をさらに分けるには?

空想に分類した「~するべき」が、願望・妄想・洞察、のどれにあたるかは、さらなる観察が必要です。「~するべき」という心の動きが、どんな源から生じているかを率直に 観察してみてください。

・「~たい」から生じている⇒「願望」
・後々実際に確認がとれた ⇒「洞察」
・そのどちらでもない   ⇒「妄想」

願望・妄想・洞察のそれぞれの辞書的な意味は次の通り。

願望:願い望むこと。
洞察:よく見通すこと。見抜くこと。
妄想:正しくない想念。根拠のない主観的な想像。

●願望の取り扱い

>掘り下げると、
>あの人にこうあってほしい、とかあの人にこうして欲しくない、とか
>これはこうであってほしい、とかいうことになる気がするので、願望(自分には裁量がない、変えられないこと)になるのでしょうか?

「~ほしい」という背景が見つかったら、その心の動きの分類は「願望」になりますね。

願望は二つの視点から考えます。

・人間に変えられるもの/変えられないもの
・自分に変える裁量があるもの/ないもの

・人間に変えられて
・自分に裁量がある

そんな願望はどんどん行動するといいですね。人生が充実していきますから。

●他者に対する願望

>あの人にこうあってほしい、とかあの人にこうして欲しくない、とか

は、多くの場合、「あの人」以外には裁量がないテーマになることと思います。裁量外の願望を持つことは自由ですが(持ってもいいですよ!)、願った通りにならず、きもちがもやもやし、心の整理がつけられないことが増えてしまうのではないでしょうか。

裁量外の願望は「持ってはいけない」とは言っていないことにご注意くださいね。持ってもいいのよ。裁量外の願望は、願った通りにならないという「因果」を知っていたら選ぶ人は減るんじゃないかと思いますが、何を選ぶかというご自身の自由は大切にされてください。

●ぜひチャレンジを

>これはこうであってほしい、

は、内容により、人間に変えられて、ご自身に裁量があることかもしれません。よーく観察して、可能性があるならチャレンジしてみてもいいのかも?

変えられないことを変えたいと願う人も多いのですが、一方で、ご自身にしか裁量がないものを「変えられないこと」と分類してしまっている方もお見受けします。よーくよーく観察して分類し、ご自身に裁量があるものごとに対してはチャレンジしてみてください。

●過去に対する願望

>・自分に対して
>私、あの時こうするべきだった、とか
>こうすべきではなかった、とか
>これからこうするべき、とか

の場合も、実際にあったかどうか=事実を見分けることから始めます。

・私、あの時こうするべきだった、とか
・こうすべきではなかった、とか
・これからこうするべき、とか

は実際にあったこと?



なかったことですよね=空想。

●空想を掘り下げる

>自分はこうありたい、とかこうありたかった、とか
>の願望になるのでしょうか?
>んー。
>未来に向けてこうありたいは、自分に裁量がある願望で、
>こうありたかったという過去形の場合は、
>事実はそうではなかったわけだから、
>でも終わったことで変えられないから妄想ですかね。

はい、このように、思い浮かべた文章をきっかけに、次の文章が浮かんでくるものですよね。新たに浮かんだ文章も、分けてみましょう。

・自分はこうあり「たい」  :願望、人間に変えられることであればチャレンジを。
・自分はこうあり「たかった」:願望、ただし過去形、過去の出来事は人間には変えられない。

>未来に向けてこうありたいは、自分に裁量がある願望で、

はい、ご自身に関する願望は、裁量がある可能性が高いのですが、念のため、

・人間に変えられること?
・自分に裁量がある?

の二つの視点で分けてみてください。

上の「たかった=過去に対する願望」のように、ご自身に関することであっても、人間には変えられないテーマの場合もあります。

人間に変えられないことなんて、願わないよ~(´▽`) って思われる方もいらっしゃるかもしれません。でもね、実際にお客様からのご相談を伺っていると、「人間には変えられないことで悩んでいらっしゃる」場合は少なくありません(というよりもとっても多いです)ので、念のため、二つの視点で観察してみてくださいね。

記事を読んでもお一人では難しいとき、気持ちが乱れて、整理のサポートが必要な時は、個別にご相談をお受けしております。

気がかり、お困りごとについてじっくりお話いただいた後、心の整理メソッド「事実と空想」にを用いて、現在の心の使い方の癖を見立て、心の仕組みに沿った、より自然な心の使い方を育てるための練習方法の提案とサポートをいたします。

詳しくはこちらです。
心の整理「事実と空想」 ~心理カウンセリング

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