ドナルド・ウィニコット☆「ほどよい母親」「ホールディング」
みなさまに
引き出していただいたからこそ・・・。
体・心・暮らし・生き方を、ワンストップで「楽」に導く自然療法家
ティアラ 日本ホメオパシーセンター渋谷笹塚交差点
ホメオパス / 心理透知家 / 美的収納プランナーの佐々木美紀です♪
2月の経験と見解を表した記事へ
⇒ストレス回避のための空想で、自らストレスを生み出している件☆
ご感想をいただき、ありがとうございます。
代表して、Yさんからのご感想メールを
掲載させていただきましたが、
⇒美紀さんが私にとってのホメオパスで本当によかった☆
実は、同様のご感想を、以前より度々、
みなさまからいただいてまいりました
(時間を割いて伝えて下さったみなさま、
ありがとうございます)。
「そう感じられたんですね」と伺いつつ、
「いやいや、それは・・・」と感じる点が。
それは、
包容力(あるいは寛大さなど)の印象を、
「人柄」と受け止めていただいていること
(恐れ入ります。ありがとうございます)。
対人援助職を生業としている私は、
心理学や精神医学を長年学んでおり、
お寄せいただくご感想や印象の一部は、
そうした学びに源を発すると認識しています。
よくいただく、包容力、寛大という印象も、
源の心当たりが私にはあります。
源について、普段はお伝えしないのですが
(必要もないので)、
Yさんのメールをきっかけに、
年々増えるご質問を思い出し、
その一つを、ご参考までに、
ご紹介してみようと思いました。
相談業務の進め方や、お客様との関係作り、
プロの対人援助職としての世界観や、
日常的自己管理などに関するご質問を下さった
対人援助職の準備期・駆け出し期のみなさん、
お子さんとの交流に関するご質問を下さった、
思春期~青年期のお子さんをお持ちのお母様方、
「みきさんすごい☆」っていつも思うけど、
その秘密は何?と、私自身にご興味を持って
ご質問下さったティアラのお客様方に。
日常の様々な場面でお役立ていただける
ヒントがあるかもしれません。
今日のお話は「ホールディング」。
※記事中「母親」という言葉が頻出します。
訳書に倣ってこの言葉を選びましたが、
この言葉に違和感がある場合は、
「主として子供を世話する養育者」を示す
別の単語、父親、祖父、祖母、養育者などに
置き換えて読んでいただいても大丈夫かと
思われます。
「ホールディング」とは、
イギリスの小児科医、精神科医、精神分析家、
ドナルド・ウィニコット(1896-1971)が
提唱したアイデアです。
日本語では、「抱っこ」
「抱きかかえる」などと訳されることが多く、
幼児教育を学ばれたり、関心のある方なら、
お聞きになられたことがあるかもしれません。
私自身は著書から、上記に加えて、
「心のアンテナを向け、土台から支え続ける」
というイメージを抱いています。
ウィニコットが活動したのは、
「乳幼児期に大切なのは、肉体の世話であり、
よい看護婦なら、母親同様に世話を出来る」
という考えが主流だった時代。
彼は、人の発達・成長における、
人生早期の母親の役割を重視しました。
人が、健康で、自立し、
社会性を身につけた大人へと成長するには、
出産直前から生後数か月間の母子関係が
重要であると考えたからです。
そして、
人の健やかな発達に好ましい環境として、
ほどほどに子供に愛情・保護を与えて、
まずまずの世話や関わりを行う、
「ほどよい母親」というアイデアを提唱。
「よい」ではない、
「ほどよい」という眼差しには、
育児に奮闘する養育者を、陰からそっと
支えるような温かさを感じますね。
そんな「ほどよい母親」が、
子どもに与えられることの一つが
「ホールディング」。
「だっこ」「抱きかかえる」こと。
・抱っこは赤ちゃんにとって特別な経験
・抱っこされた赤ちゃんは、
母親の呼吸運動や息の暖かさ、
様々な匂いや心音を感じる。
・だっこしている母親は、
自然にそのときの赤ちゃんを感じ取り、
腕の力や動きを調整し、最適に抱っこする。
・最適な抱っこが行われているとき、
赤ちゃんと母親は一体感を感じている。
・そうした経験は、赤ちゃんに、
赤ちゃんとして存在する機会を与え、
したりされたりを伴う行為の段階を生じ、
これが基礎となって、幼児は次第に
自分が在ると経験できるようになる。
適切な抱っこの背景に存在する、
乳幼児期の母子関係が、
人の自我形成に影響を与える、ということ。
ティアラでは、どのサービスも、
お客様の心をサポートする面があるため、
全てのサービスで、
心理相談に準じた準備を行っています。
人は、一生の間、発達、成長し続けます。
であるなら、お客様方が、
健康で、自立し、社会性を身につけた大人へと
成長するために必要な「ほどよい母親」?
⇒「ほどよい援助者」であるために?
= 私は?
そうした準備の一つとして、
ウィニコットの「ホールディング」という
アイデアをヒントにお借りしています。
ティアラのお客様の多くは、
「かつて」赤ちゃんだった方々ですので、
赤ちゃんにするほどの、
密着したお世話はいたしませんが、
お一人お一人の心の状況に応じた
「ホールディング」「心を抱っこする」こと、
「心のアンテナを向け、土台から支え続ける」
ことを選んできました。
この話はこれまで、どちらのお客様にも
したことはなかったかと思いますが、
感受性の高いお客様は、先日のご感想のように
察して下さるんだなあと感じ入りました。
そうしたお客様との時間、経験に支えられ、
私の心はまた「ホールディング」へ向かいます。
ですから、
包容力(あるいは寛大さなど)という印象は、
人柄や生まれ持った性質というよりも、
ウィニコットのアイデアをきっかけに、
みなさまに引き出していただいたものと
認識する次第です。
ウィニコットの世界観が
真実、正解ということではありません。
また、私自身、ウィニコットのアイデアの
細部に至るまで、共感しているのでもなく、
これは、由来全体のほんの一つ。
人は、
亡くなるまで一生の間、発達、成長し続ける。
お客様も、私自身も。
それについて、ゆっくり焦らず、察し続ける。
対人援助職として、養育者として、
伸びしろを秘めた、成長途中の当 事者として。
心のど真ん中に、何を据えたらいいだろう。
私にご質問を下さった前述のみなさまに。
発達、成長の真っただ中にいる私の
ベースや由来の一部をお伝え出来ていましたら
幸いです。
[参考文献]
D.W.ウィニコット著「赤ちゃんはなぜなくの」
D.W.ウィニコット著「赤ん坊と母親」